製品概要

武蔵精密工業グループが開発したAI外観検査専用機です。
80年以上の製造現場の知見を活かした堅牢な検査装置(ハードウェア)に、Musashi AI独自の画像認識アルゴリズム(ソフトウェア)を組み合わせ、厳しい品質基準が要求される量産ラインでも稼働可能な外観検査システムを提供します。
既に自社工場やトヨタ自動車などで実稼働しており、リアルな生産現場で培ったノウハウにより顧客ラインへのスムーズな導入が可能です。

解決する課題

  • 人手検査の精度限界: 人間ではばらつきがあった微細キズ検出をAIで安定かつ高精度に実現。熟練者でも見落とす可能性のあった欠陥を検出し、品質担保の向上に寄与します。
  • 属人的な基準: 属人的だった検査基準を明確化・システム化し、検査品質を統一。人に依存しない一定の品質検査が可能となり、技能伝承の問題を解決します。
  • ライン構築: 製品検査工程をゼロから自動検査ラインとして再構築することを支援。AI検査機だけでなく、前後のばら積み供給や搬送・仕分けまで含めライン設計を提案でき、工場全体の検査自動化を加速します。
  • 人手不足: 検査員不足や24時間対応の課題に対し、AI装置による無人検査で省人化します。実績として検査員6名→2名での運用に成功したケースもあり、労働力不足の解消とコスト削減に効果を発揮します。

主要特徴

  • ハード・ソフト一気通貫: AI検査に必要なハードウェアとソフトウェアの両方を自社で提供でき、各部品に適した撮像環境構築からアルゴリズム開発までワンストップ対応。検査対象に合わせたカメラ・照明選定やエッジデバイス設計、専門アノテーターによる高品質なデータ作成など、全て社内リソースで対応します。
  • 現場課題の克服: 自社の量産工場ラインで本ソリューションを稼働させ、そこで得られた実運用上の課題をクリアしている点が強みです。振動や汚れなど工場環境下の問題にも対処済みで、導入先ごとの課題に迅速に解決策を提示できます。
  • 検査基準策定サポート: AI導入にあたり不安な検査基準の設定も、豊富な製造業知見を持つMusashi AIが基準書作成から運用までサポートします。新人とベテランで異なっていた判断基準を洗い出し、AIシステムでブレない品質検査基準を構築します。
  • 高精度・高信頼性: トヨタ本社工場での導入実績では【OK判定精度94%、NG検出率100%】を達成。またSUBARU向けでは大型・複雑形状部品への検査適用範囲拡大にも成功するなど、独自アルゴリズム研究により対象範囲と精度を日々向上。
  • 周辺工程自動化連携: オプションでトレーサビリティ用バーコードリーダー追加や、AGV/AMRによる搬送自動化、ロボットピッキングとの連携も可能。検査工程前後を含めたライン全体の自動化ソリューションとして提案できます。

技術仕様

対応材質
金属 樹脂 電子部品 その他 ゴム 食品 プラスチック
対応形状
平板(シート・板状) 円筒(棒・パイプ状) 複雑形状(異形)
検出対象欠陥
キズ 異物 バリ 変色 欠け 色ムラ
検出精度 94%
誤検出率 6%
照明条件 各検査対象部品に合った照明環境を構築。例えばギア歯面検査ではリング照明や斜光照明を組み合わせ微細傷を強調します。エッジAIデバイスと組み合わせ、照明の点灯同期で高速撮像を実現。現場の外乱光も考慮し筐体内を遮光する設計です。
ライン対応 インライン

測定条件補足

導入フロー確立: 初期検証(約2週)→機器製作・画像準備(3ヶ月)→AI学習(3ヶ月)→テスト検査(1~3ヶ月)→実装(3ヶ月)という標準プロセスで導入。PoC段階で無償撮像TRYを実施しAI対応可否を回答するなど、ユーザと協働で導入を進めます。

導入プロセス

1

仕様検討フェーズ

無償撮像TRYを実施し、提示いただいたワークでAI検査可能かを2週間程度で評価。その後、装置コンセプトや検査仕様の仮決め、見積提示まで行います。

14日
2

設備・画像準備フェーズ

発注後、検査装置の詳細設計・製作に着手。並行して最適なカメラ・照明を選定し撮像環境を構築。完成装置でサンプルワークを撮影し、AI学習用の画像データを収集します。

90日
3

AIモデル作成フェーズ

収集画像に対し専属アノテーターが教師データを作成し、高精度なAIモデルを開発。精度評価を行いながらアルゴリズムを調整し、要求精度を満たす検査モデルを構築します。

90日
4

テスト検査フェーズ

初期AIモデルを装置に実装し、単体テストおよびお客様ラインでの結合テストを実施。検査精度・処理速度を確認し、必要に応じ追加調整します。1~3ヶ月程度テスト稼働させ、安定性を検証します。

30〜90日
5

実装フェーズ

本番ラインへAI検査装置を正式導入し、量産稼働開始。稼働初期は現場データを収集して分析・再学習を繰り返し(過検知の低減等)量産品質に仕上げます。その後は安定運用と必要に応じたモデル更新対応を行います。

90日

導入事例

自動車(トランスミッション部品)

導入効果:

トヨタ自動車 本社工場のトランスミッション製造ラインにAI外観検査装置を導入。ギヤ歯面検査を自動化し、OK判定精度94%、NG検出率100%を達成して量産稼働中。検査員6名体制だった工程がAI装置監視2名体制に省力化。 詳細を見る

自動車(EV駆動部品)

導入効果:

SUBARU向けEV用大型部品や複雑形状部品への検査適用を実現。独自アルゴリズムの改良で対象範囲を拡大し、今まで自動化できなかった部品の検査をAI化。富士機械㈱から検査装置を新規受注するなど適用先が拡大。 詳細を見る

推奨シナリオ

高速生産ライン 検査員不足・人件費高騰

よくある質問

大手企業にも導入されていますか?

はい。 トヨタ自動車本社工場で当社AI検査装置が2020年から量産稼働しています。他にも武蔵精密の自社工場やSUBARU向けなど導入実績があります。

現在のラインに追加導入する際の停止期間は?

装置据付やテストのため数日程度の計画停止をお願いする場合がありますが、可能な限り短縮します。事前に社内立ち上げを完了し、据付後すぐテストできるよう準備します。場合によってはライン並行設置後切替も検討します。

検査後の不良品はどう処理されますか?

Musashi AIの装置では自動排出が可能です。AIがNG判定したワークを即時にエアブローやロボットで選別除去する機構を組み込めます。検査後の判定結果はデータベースに記録し、トレーサビリティも担保できます。